Virgin Flight〜YAMAHA TZR 250 3MA〜

YAMAHA TZR 250 3MA

彼女が僕のところにやってくるのは2日先ということになっていたのだが,手続きその他諸々が早めに済んだらしい.予定を前倒しして僕は彼女を迎えに行った.
彼女の後見人(保護者的立場、だ)と軽く交わす世間話もそぞろに,僕は彼女との会話を始めた.彼女は僕が最後に逢ったときに比べると全くといっていいほど変わっていた.「洗練された」というのだろうか.
上野の街を2周も3周もしながら,僕たちはずっと会話を交わしていた.会話をしながら,僕は福島で出会った他の子のことを考えていた.その子と彼女を比べると,福島の子の方がずっと現代的な感じではあるのだが,全てにおいて彼女の方が上回っていた.会話のレスポンス,立ち居振る舞いの軽やかな感じ,内に秘めた生命力のようなもののポテンシャルがまるで違うように感じられた.
準備体操は終わった.僕はさっそく彼女の上に跨がった.僕が彼女とそれをするのはもちろん初めてだったが,初めから言い知れぬ一体感を感じざるを得なかった.
反応、そう反応だ.僕が押し込む,彼女は敏感にそれに応え、息を荒くする.少し抑えると,それを大らかに包み込むように穏やかな表情になる.これほどの快楽が今までにあっただろうか?僕は俄に思い出す余事象を持たなかった.
最も熱く燃え盛るその部分の回転数が6~7,000rpmを超えてからの彼女はすごかった.脈打つ鼓動は僕を下から突き上げるようで,甲高い,だが芯の通った声が辺りにこだました.
僕は最早自分がどこにいるのかわからなくなっていた.想定していた道のりを縫うように右へ左といったり来たりし,思いがけない場所に来てしまった思いだった.しかしあまりのスピード感に遠回りしているような感じは全く無かった.既に誰かが決めた速度は遥かに上回っているようだった.僕は咄嗟に彼女を腰の下に押さえ込んだ.
気が付くと僕は帰るべき場所に戻って来ていた.